あなたが好きな和歌(できれば現代語訳含めて)を教えて
私が好きなのは千載和歌集の
「君やあらぬ我が身やあらぬおぼつかな頼めしことのみな変りぬる」(あなたは昔のあなたではないのか。私は昔の私ではないというのか。わからないなあ。約束してあてにしていたことが、すっかり違った結果になってしまった。)
「君やあらぬ我が身やあらぬおぼつかな頼めしことのみな変りぬる」(あなたは昔のあなたではないのか。私は昔の私ではないというのか。わからないなあ。約束してあてにしていたことが、すっかり違った結果になってしまった。)
誰かまた花橘に思ひ出でむ我も昔の人となりなば
藤原俊成・新古今和歌集
「自分も誰かに橘の香りで思い出されるんだろうか」(意訳)
古今和歌集と伊勢物語に載っている「五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(橘の香りをかぐと、昔の恋人の袖の香りを思い出す)」という歌をふまえている。
「思い出す」動作主が入れ替わっているのが秀逸
「自分も誰かに橘の香りで思い出されるんだろうか」(意訳)
古今和歌集と伊勢物語に載っている「五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(橘の香りをかぐと、昔の恋人の袖の香りを思い出す)」という歌をふまえている。
「思い出す」動作主が入れ替わっているのが秀逸
おほけなくうき世の民におほふかなわがたつ杣に墨染の袖
(身の程知らずなことだが、この浮世を生きる民を包んであげよう。比叡山に住みはじめた私の、墨染めの袖で。)
比叡山に修行に入った若いお坊さんが意気込みを詠んだ歌。青い!だがその言やよし!って感じで好き。
比叡山に修行に入った若いお坊さんが意気込みを詠んだ歌。青い!だがその言やよし!って感じで好き。
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
「貴方のためなら命も惜しくない」と思っていた恋心が、今は「末永く貴方と共に居たい」と想うようになった。
ベターな有名どころですが。恋が愛に成るさまがまっすぐでとても好きです。
ベターな有名どころですが。恋が愛に成るさまがまっすぐでとても好きです。
心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
もし手折るならば、あてずっぽうに折ってみようか。
真っ白な初霜が降りて見分けがつかなくなっているのだから、白菊の花と。
(小倉山荘HPより)
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情景描写がきれいで好きです
真っ白な初霜が降りて見分けがつかなくなっているのだから、白菊の花と。
(小倉山荘HPより)
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情景描写がきれいで好きです
かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける
「かささぎの渡せる橋」を中国の七夕伝説の天の川とするか、奈良の宮中の御橋とするか2通りの解釈があるようですが、個人的に冬の寒い季節に遠い夏に思いを馳せている情景を想像してうっとりします…。