誰かまた花橘に思ひ出でむ我も昔の人となりなば
「自分も誰かに橘の香りで思い出されるんだろうか」(意訳)
古今和歌集と伊勢物語に載っている「五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする(橘の香りをかぐと、昔の恋人の袖の香りを思い出す)」という歌をふまえている。
「思い出す」動作主が入れ替わっているのが秀逸