物語の中に別の媒体(新聞・手紙・論文など)の文章が挿入される小説を教えて
夢野久作「ドグラ・マグラ」の経文etcや、「瓶詰地獄」の手紙、清水義範「国語入試問題必勝法」の問題文、品田遊「名称未設定ファイル」内ののスレッドやツイートのような文章が物語中で生かされている感じの作品を読みたい
折原一『異人たちの館』
ある失踪者の伝記執筆を依頼された男が主人公のミステリー小説です。モノローグ、年譜、インタビュー、作中作、歌詞、新聞や雑誌の記事や広告、談話、手紙、学級新聞、弔辞、婚姻届、遺書など、地の文以外のテキストがこれでもかというほど登場し、それらの断片をかき集めて真相へと向かっていきます。
白ゆき姫殺人事件/湊かなえ
作中に雑誌の記事やSNSが描写されています。報道やSNSでの無責任な盛り上がりにより被害者と犯人に対する推測が暴走する様は嫌な気分になりますが、ネット社会について考えさせられます。
谷崎潤一郎『鍵』
初老の夫と若き妻の日記によって構成された、夫婦の性愛をめぐる物語。日記はそれぞれ別の本で、鍵が掛かっているので相手には読めない…ということになっているが、実際はお互いこっそり読んでいるため、腹の読み合い、嘘も真実もわからない騙し合いが続く。テーマと旧い文章、注釈の多さが苦手でなければおすすめします。
イルミナエ・ファイル
タイポグラフィも駆使されており、作中文書好きには贅沢な一冊。