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待っている間、することもないので美術品をこしらえた。
待ち人は来ない。雨が降った。
美術品が濡れてはいけないと城を建てた。
待ち人はまだ来ない。彼は待ち続けた。
気づくと手は皺だらけになっていた。
そして、やがて彼は城の中で独り、灰になった。
『ルーヴル美術館誕生秘話』