小石を蹴る、と言えば、なんですけど。
彼女はそう言って笑いました。
小石を人差し指と薬指とで摘んで胸元に持ち上げたあと、指を離し、落下した小石を彼女は蹴りました。
遠くまでとは言いません。というより、彼女はあの言葉以外音を発せないのです。
蹴飛ばした小石は音も無く、皆に炸裂しました。