メロスはかの性豪絶倫の王にセリヌンティウスを差し出した。
セリヌンティウスにもぐり込んでなんのこれしきと掻きわけ掻きわけ、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂った。
メロスは二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、仲間に入れてくれまいかと頼んだ。
どっと群衆の間に、歓声が起った。